藝フィルレポート
35年間在籍した職場の回顧録
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危険な音楽
先日「アートルネッサンスコンサート」という名称の、若い音楽家達を応援するコンサートが開催された。その中に「本日世界初演」と謳われる新作があったのだが…つくづくこの曲には困り果てた。 パート譜はパソコンで綺麗に印刷されてい…
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見えない敵との戦い
「クラシック音楽のコンサートは満席にしても良い」という“お上”からの御達しが出た。それについての是非はともかく、プロオケにとっては取り敢えず嬉しいニュースであろう。 そんな世間の状況を他所にして、ウチのGフィルの場合はと…
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偉大なオーボエ奏者
今年度Gフィルのモーニングコンサート最終公演は、トマジ作曲のトランペット協奏曲とブラームスのヴァイオリン協奏曲というプログラム。後者にて自分は1st.を担当していたのだが、自分の右隣、つまりオーボエの1st.はいつもの団…
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「洗練される」ということは…
先月末の指揮科の学生による学内演奏会のリハから今月の定期演奏会の本番にかけて、ちょくちょくNHKが取材に来ていた。どうやらGフィル常任のT先生がそのターゲットで、Eテレの「ららら♪クラシック」という番組で「指揮者のシゴト…
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壊れた楽器-2
今日は指揮科の大学院入試だった。受験生が順番に初見曲と課題曲を振り、我々はその通り演奏するという内容。こういう大事な仕事なのに、度々ウチのオケは穴を空けるメンバーがいる。昨今はよく通勤ダイヤが乱れるので、そんな不可抗力に…
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戦没者追悼式2019
またこの時が来たか…という感じである。 奏楽担当の我らGフィルメンバーは、靖国神社の大鳥居の麓付近に集合して、いわば入館証ともなる花の紋章を受け取る。たまに雨の降りしきる中で傘さして集まる日もあったが、今夏は定番の晴天&…
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手作りストッパー
3年前の記事「スタンダード奏楽堂デビュー」にて、マイ愛器が椅子の下敷きになって重傷を負ってしまった話を書いた。それからというものの、この持ち替え用の椅子の配置については常に神経を尖がらせている。この3年間、ずっとだ。木管…
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最初と最後
昨日はGフィル、今年度最初のモーニングコンサートの本番であったが、同時に平成最後のモーニングコンサートでもあった。プログラムはアッペルモンド作曲のトロンボーンとオーケストラの為の「カラーズ」、そしてブラームスのピアノ協奏…
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平成を振り返る〜藝大フィル
自分がGフィルに入団したのは1988年。まさに昭和の末期だ。つまり平成の30年間は、自分にとってGフィルの30年間でもある。入団して最初の仕事がオペラだったが、丁度その頃、時の天皇陛下がご病床に伏せられた。世の中はこの時…
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福江島
Gフィル秋の地方公演、第2弾は長崎県五島市だった。恥ずかしながら五島市と言われても、長崎県の何処にあるかは知らず、地図で調べたら何と離島である事がこの度解った次第である。 家から空港まで1時間半、羽田から長崎まで2時間…