ソロ・アンサンブル,  レッスン・教室

講師演奏録

一般に教室の発表会で、講師が例えばトリで演奏する事はどの程度あるのだろう?本番当日は、出演する生徒さんのお世話をしたり客席や袖で聴いたりなどをし、とても講師自身が演奏する精神的準備などを整えるのは、実はとても難しい環境であると思う。

自分が所属しているMFLC(ムラマツフルートレッスンセンター)の発表会では、勿論そんなのはない。出演者数が多くて時間的なこともある。その代わり嘗ては別に「講師によるスペシャルコンサート」と称した講師の品評会みたいなものもあって、ちゃんと高いチケット代をしっかり取っていた。自分も3回ほど出演したことがあるが、演目がいちいちマニアック過ぎるのか、4回目以降はMFLCから嫌われてしまったようだ…。

で、当「湯本フルート教室」の発表会では、第1回から最後に講師の演奏は行なっている。講師自身にとってもある意味、レパートリーの開拓と研究は必要だなと思うからだ。勿論当日はもうバタバタだが、それでも何とかこれを続けている。尤も自分は1回だけ、流石に前後のスケジュールの過酷さに負けて出演できなかったことがあったが…。

これまでの自分の演目一覧

第1回 1992年(榎坂スタジオ) ヒンデミット作曲 ソナタ
第2回 1994年(ムラマツホール) 福島和雄作曲 「春讃」
第3回 1996年(川口リリア) ムチンスキー作曲 ソナタ
第4回 1999年(川口リリア) モーツァルト作曲 協奏曲第1番第1楽章
第5回 2001年(川口リリア) 武満徹作曲 「Voice」
第6回 2003年(川口リリア) ボリング作曲 組曲より「センチメンタル」「フーガ」
第7回 2005年(川口リリア) 湯浅譲二作曲 「ドメイン」
第8回 2007年(川口リリア) 矢代秋雄作曲 2本のフルートとピアノのためのソナタ
第9回 2009年(川口リリア) バッハ作曲時任和夫編曲 シャコンヌ
第10回 2011年(川口リリア)ヴィラ=ロボス作曲 「ジェットホイッスル」
第1回アンサンブル 2012年(白井中銀マンシオンホール) アルフテル作曲「デブラ」
第11回 2013年(川口リリア) アホ作曲 「SOLO III」
第2回アンサンブル 2014年(白井中銀マンシオンホール) 池辺晋一郎作曲「ストラータII」
第12回 2015年(川口リリア) 川島素晴作曲 熱狂的な精神病Ⅰ
第3回アンサンブル 2016(白井中銀マンシオンホール) ※出演なし
第13回 2017年(川口リリア) ファーニホウ作曲 カサンドラの夢の歌Ⅰ
第4回アンサンブル 2018年(白井中銀マンシオンホール) ハチャトゥリアン作曲 協奏曲より第3楽章
第14回 2019年(埼玉会館) シュトックハウゼン作曲 「友情に」
第15回 2021年(埼玉会館) 堀悦子作曲 「飛天の譜」
第16回 2022年(埼玉会館) 福島則夫作曲 「透明な空へ」
第17回 2023年(さいたま市文化センター) サーリアホ作曲 「翼の簡潔さ」
第18回 2024年(さいたま市文化センター) ブルクハルト作曲 組曲
第19回 2025年(大宮ReiBoCホール) 湯本洋司作曲 「Creepy Morzart 40+」

合計23回中、22回出演。

緑字は無伴奏・または1人で演奏。バッハの「シャコンヌ」以外は全て新曲や現代音楽だ。その内容も現代奏法や視覚的効果等でいろいろと演奏以外のアピールポイントがある。「Voice」では声を発し、「ドメイン」では“ホイッスル・トーン”を出し、「熱狂的な〜」では譜面台を5台も並べて狂いまくり、「友情に」では会場を歩き回り、「透明な空へ」ではアルトフルートを用い、「翼の簡潔さ」では最初に仏語の詩を朗読し、挙げ句の果ては昨年の拙作でシーケンサーとの共演etc….そんな中で特に際立った現代奏法は無いけれど、単純にもの凄く難曲だった「デブラ」や「SOLO III」もとても有意義な経験ができたと思う。

川島素晴「熱狂的な精神病」(2015年)
シュトックハウゼン「友情に」(2019年)
2025年湯本洋司「CreepyMozart40+」
これからは…

正直言って、ネタが尽きた感がある。フルートという楽器の可能性を悉く探究してきた感じだが、仮にその限界を感じずに続けていっても、単なる自己満足に過ぎないことになってしまいそうだ。そもそも現代音楽もつまらなくて飽きてきたし…。

オケやら室内楽やらを沢山やってきて、還暦をとうに過ぎて、一昨年のリサイタルで基本に返ったようなプログラムを並べて…なんてことを経験して改めて考えると、結局フルートに合うのは、やはりシンプルに「美しいメロディー」なのかなぁ〜

…と、つくづく思うのである。

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