思い出,  日常・趣味

それぞれの国のアピール

大阪関西万博

前記事の通り、目的のパビリオンには入れずに失意のまま帰路に立った万博であったが、それでも「7日抽選」には2箇所当選した。

実際そのパビリオンに指定された時間に行ってみると、どちらも予約なしの行列と然程変わらない長さの待ち時間。この抽選にどんな意味があるのか疑問だった。因みに当選しても予約しても、すんなり入館はできない。多少は並ぶのだ。

3日前予約でも、辛うじて1つだけ、本当に最後の1枠が取れた感じだ。ところがこのパビリオン、自分達が入場した東ゲートの真反対側にあり、またまた炎天下を20分も歩かされる破目になる。

まあ屋外は灼熱でも、建物内に入るともう涼しいので、後は各パビリオンを堪能するのみである。ただずっと歩き回っているので、後半は大分足が痛かった。企業パビリオンは巨大スクリーンに映し出される映像を見たり、未来の生活を体験したり等、それなりに楽しめたが、海外パビリオンでその国の魅力に触れるのも万博の楽しみのひとつである。その幾つかを簡単にレポートしてみよう。

オーストリア館

建物全体が楽譜かト音記号のような形。やはりモーツァルトを生み出した国、という訳か。館内では自動ピアノがコンチェルトを弾いている。他にもいろいろなテクノロジーを披露していて、来場者が打ち込んだコマンドをAIが瞬時にアレンジしてオーケストラ曲にするというコーナーがあったが、何がどうなっているのかさっぱり解らなかったので、多分あれは失敗企画だろう。

オーストラリア館

いきなり中は森林。進んでいくうちに空から海中にダイブしていくCG映像が映る部屋。多分グレートバリアリーフか何かだろう。そうこうしているうちにもう出口。オーストラリアといえば、カンガルーやコアラの生態とか、アボリジニーとか、ウルルとか、オペラハウスとか、何かひとつでも紹介して欲しかったのに…何だか残念だった。

海外パビリオンはやっぱり自国の自然環境や産業等アクティヴに紹介して「是非私達の国にいらしてください」と、その魅力を存分にアピールする所とばかり期待していたのだが、意外とそういうことではないのだなと思った。その典型的なのが…

ウクライナブース

20ヶ国位が一つの建物にまとめられている「コモンズ館」、その中の一角にウクライナのブースがある。そこには黄色く塗られた壁や棚に青色の商品が沢山並べられている(←つまり国旗と同じ配色)が、ブースの中央に「Not for Sale」とある。スタッフに手渡されたスマホのようなスキャナで、その商品のバーコードを読み取ってみると、スキャナの画面に映像が流れる仕組みである。
そこに映し出されるのは、現在のウクライナの様々な惨状。ロシアがどんなに酷い仕打ちをしてきたかを切々と訴えている。

他の国とは違って、ウクライナはこのような特殊な方法で別の意味のアピールをしている。ブースを見渡しただけではそんな風に全然見えないのが、ある意味クレバーなやり方だなと、心底感心した。とはいえ、ウクライナだってとても素敵な国な筈のに、改めてロシアには激しい嫌悪感を感じる。因みにこの万博にロシア館なんてあるワケがなく、万が一あっても自分は近寄らないだろうと思う。

しーんと静まり返った空気の中で…
タイ館

こちらは主に「健康」をベースに、タイの魅力を思い切りアピールしてきた。免疫力・ヘルスケア・薬膳…展示やアトラクションのみならず、実際にタイ料理が食べられて売店も揃っていた。更には時折披露されるタイのダンス。本当に楽しそうだった。このパビリオンを回ると誰もが「訪れてみたいな」と思うだろう。素晴らしかった。

この暑い中、ご苦労様です。

ウクライナの“スキャン方式”と同じく、「カナダ館」ではもっと大きな取手付きのタブレットが手渡される。これを持って巨大な氷山の部屋に入り、各氷山を写すと、画面にはそれぞれカナダ国内の様々なシーンが音声付きで映し出される。これもハイテクでなかなか面白かった。

逆に何が何だかよく解らないパビリオンやブースもある。詳細は省略するが、例えば「チェコ」「クロアチア」「チリ」は先のオーストラリアと同じく(もっと何かあるだろう)という感想。

人気のパビリオンにはあまり入れなかった一方、割とすぐに入れた外国パビリオンや「コモンズ」については、その国の産業や文化よりも先ず地理的に何処にあるのかが再認識できる。例えば「モナコ公国」「マリ」「ブルキナファソ」「サンマリノ」「カーボベルデ」なんて「何処?」と思うだろう。いろいろと勉強になるのも万国博覧会のいいところだ。

関東人にとっての関西万博

今回「万博に行って来た」というと「へぇ〜そうなんだ〜」とよく言われる。やはり関東人にとっては、その移動距離のことを思えば、ほんの少しだけ特別な事なのかも知れない。USJも然り、逆に関西人がTDLに行く事と同じか。。。ましてや開催時期もほんの半年限りだし、これを思えばなんだかんだで一生に一度の貴重な体験をして来た訳だ。

灼熱と混雑・他にもネガティヴな感想はあるものの、55年前に夢のまた夢であった自分には、これでも訪れて本当に良かったという事だ。将来また何か開催されれば、自分はまた文句タラタラ言いながら結局楽しんで来る老害ジジイとなる事であろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です