オーケストラ,  日常・趣味

2021年 今年の「曲」

…確かついこの間、2020年版でこの話をしたばかりだと思っていたのに、いやはや本当に月日が経つのは早いものである。

これ程まで1年が早いと思ったことはなかったが、その理由は単純に仕事が、特に演奏の本番が激減した事にも因る。リサイタル等の自主公演は、やはりまだ計画する気になれない。これまでに既に幾つものコンサートや発表会などを延期や中止にせざるを得なかったし、もしまた感染の波がやって来たら、その都度また同じ事態になってしまう。

そんな状況でも、やっぱり音楽を生業としている以上、印象に残る曲は今年も幾つかあった。珍しい事に、去年と同じ曲が入っている。

では月順に並べてみよう。

ラベル作曲 組曲「マ・メール・ロア」

3月の記事「マ・メール・ロア×3」の通りである。編曲の編成を間違えたため、作り直しを余儀なくされた、自分にとっては“憑き物”のような曲であるが、あれ以来この曲にはもう関わっていない。流石に“呪縛”は解けたか。。。

モーツァルト作曲 フルート協奏曲第2番

これは自分の新しいパートナー:Gフィルのフルート奏者入団オーディションの課題曲だった。えてしてモーツァルトの協奏曲は、コンクールやオーディションの課題曲によく採り上げられるが、その理由は受験者・参加者の技量が一発で判るほど難しい曲だからである。オーディションは6月半ばに行われた。特にこの曲の第2楽章はピッコロで演奏という、オケの入団試験にはよくある審査だが、やはり受験者はこれに慣れていないようで、自分が満足できる演奏は1つもなかった。だが差し当たり合格者は1人決まり、現在試用期間中である。

モーツァルト作曲 歌劇「魔笛」

前記事「コロナと声楽」で述べた通り、感染防止対策を精一杯施した、透明仕切り版付きのオペラ公演だが、この曲が印象に残った理由はもう2つある。1つは(ここではデリケートな内容故、詳細は省略させて頂くが)乗り番を巡って事務局と一悶着あった事。結局平和的に解決したものの、事務局は約1名の人にもの凄い迷惑をかけてしまった。もう1つは、この最終公演日(10月10日)にJRの変電所で火災があって首都圏の全ての電車が止まってしまい、開演ギリギリに何とか滑り込んで汗だくで本番をこなした事。

ストラヴィンスキー作曲 バレエ音楽「ペトルーシカ」

尊敬する奏者AさんがGフィルを退職された後、実質自分が“頭吹き”になって最初のオケ定期公演(11月5日)のプログラムがこの曲だった。勿論これまでに定演で頭を吹く乗り番は沢山あったが、今回は事情が違う。正真正銘の首席であるが、よりによってこの曲の1st.フルートはソロだらけである。いきなりの大役を無事に終える事ができてホッとした。今年一番印象に残った曲。

ベートーヴェン作曲 ミサ・ソレムニス

これも「コロナと声楽」で採り上げた11月11日の合唱定期公演のプログラムであるが、全く別のプライベートな理由で印象付けられてしまった。曲自体はベートーヴェンらしいハードワークなパート譜だったが、リハの途中で携帯が「ビッ」と振動し、身内が亡くなったとの知らせが。葬儀はこの本番の翌日に執り行なったが、これ以来「ミサソレ」と聞くと多分この事を連想するであろう。

来年自分は遂に還暦を迎えるが、あまりそれには拘らずに普通に過ごしていきたい。そして、このデジタル&ネット社会の波に上手く乗って、例えばYouTubeやSNSを使って演奏を披露する事にも力を入れていきたいと思う。

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