ソロ・アンサンブル

打楽器選び

自分はよくフルートアンサンブルの編曲で打楽器を入れる事がある。一番よく使っているのはトライアングルだが、他にどんな打楽器を使った事があるかというと…

リングベル(鈴)・カスタネット・ウッドブロック・ウィンドチャイム等。変わり種はスラップスティック・フレクサトーン・そしてサンドペーパー、つまり木工用の紙やすりだ。全て自分で購入、またはDIYで作ったり。。。

現役オケプレーヤーだった頃は何となく後ろから聞こえて来た打楽器群だが、こうして一つひとつ叩いてみると、打楽器ってつくづく奥が深いものだ。

トライアングルひとつを取ってしても、スティックで叩く箇所・スピード・強さ等で音色が千変万化する。あまりに面白いので叩きながら酒を呑み…つまり“酒の肴”にした事がある。

同じ強さ・同じ音色で「チン、チン…」と続けようとしても、素人にはこれがなかなか難しい。特にppで。と、すぐさま自分の脳裏にはベートーヴェン「第九」が浮かぶ。第4楽章のマーチ。ピッコロ奏者には緊張のひと時だが、もしかしたら一緒に叩くトライアングル奏者にとっても手に汗握る瞬間なのかも知れない。

店舗にてトライアングルを買う…

このトライアングルは10年程前、上野のとある打楽器専門店にて購入した。流石は専門店、トライアングルだけでも何十種類と陳列してる専門のコーナーがある。差し当たり店員さんにお願いして試奏させてもらう。ところがここからが矢鱈と長かった。予算を加味しながらも音が一番綺麗なのはどれか?あれでもないこれでもないと独りでチンチンチンチン鳴らし続け…1時間位悩んでいたか、確か季節は冬だったのに何だか汗だくになってきた。流石に店員さんも何だか怪訝そうな表情になってきたところで、漸く決めた次第である。それ程までにこの楽器は奥が深過ぎた。

店舗にてサンドペーパーを買う…

ルロイ・アンダーソンの「サンドペーパー・バレエ」は、メロディーと共に紙やすりを「サッサ,サッサ…」とリズミカルにこする愉快な音楽だが、これをフルートアンサンブル用に編曲するにあたって、実際にサンドペーパーを買ってみた。木目の細かさは番号で記されていて、その数値が多ければ多いほど細かくなる。では実際に擦ってみると、この番号によってどんな音色の違いがあるのか、これをまた店舗にて試し…てみたかったが、流石に先のトライアングルとは勝手が違う。商品を店内で擦るわけにもいかないので、もう何種類か目星をつけて買って来る。

そもそもサンドペーパーは、主にこれから塗装する木材等に充てる物であって、サンドペーパー同士を擦る物ではない。勿論この「サンドペーパー・バレエ」は、何を擦るにせよこの「サッササッサ」という音自体が大事なのだが、その音色については、何を擦るか・どの番号(目地のきめ細かさ)を使うか・擦る強さやスピード…もっと研究が必要だった。

コンサートを終えて

去る10月27日、アマチュアのフルートアンサンブルコンサートにて、これら打楽器群を思いっ切り活用し、ルロイ・アンダーソン集を披露した。メンバーの皆さんはそれぞれの打楽器を持ち替えて健闘して下さり、お蔭で盛会のうちに終える事ができた。しかしながら、幾ら「叩くだけ」「擦るだけ」とは言っても、アンダーソンの曲はそれなりに技術が必要なので、多分皆必死に練習されたことと思う。アマチュアの方達にとってはフルートパートだけでも大変なのに、かなり負担をかけてしまったな…と反省もしている。

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