思い出,  日常・趣味

2020年 今年の「曲」

世相を象徴する今年の漢字一文字、それは「密」だそうで。。。思わず笑ってしまった。確かにこの1年、正確には10ヶ月位か?実によくこの言葉を耳にしたものだ。

そして、自分にとっての今年の漢字は…紛れもなく「」だ。今年はいろいろなものを実に沢山作った。作曲・編曲・ついでに日曜大工で家具を作り…。これら総て、詰まるところやはり、やっぱり「新型コロナウィルス」の影響であろう。

まるで「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな話だが、コロナウィルスは春から夏にかけての殆どの経済活動を凍結させた。緊急事態宣言・外出自粛・イヴェントの中止…それらに伴う減収に対して国や自治体は給付金等を出してくれたが、貰ったからにはそれなりの働きをこちらもしなければならない。

その“働き”とは、対面でのコンサートができなくなった分、その代わりとなる仕事。それが自分にとっては曲作り・そして動画作りであった。今年はそんな訳で、印象に残る曲が例年よりも格段に多いのである。

拙作「希望の光」(作曲・演奏・動画作成)

Gフィルの在宅勤務による自主研究課題の一環として作成。テーマは「テレワークによるオンライン・アンサンブルの研究」とし、フルートアンサンブルとシンセサイザーの為に作曲。詳細は前記事「Final Cut Proの初仕事」の通り。

ダマーズ「24の練習曲」(演奏・録音編集)

同じく在宅勤務による自主研究課題の一環として作成。詳細は拙ホームページにてアップしているが、これも長期間に渡って苦労した。とにかく各曲総て実に難しい。よく言えばダマーズ独特のエスプリに富んだ曲集だが、言い換えればどれもかなり捻くれている。

興味本位でこの曲をさらい始めたのは実はもう数年も前だが、ダラダラ吹いていたのでは埒が明かない。なので思い切ってこの機会に研究成果として発表した次第である。

ラヴェル作曲「ダフニスとクロエ」(演奏・動画作成)

さいたま市による「つながろうさいたまアートプロジェクト」への参加作品。これはコロナウィルスの影響で減収となってしまった市内のアーティストが対象というもので、半信半疑で申し込んでみたら審査に通ってしまって、ちょっと慌てた次第である。だがこの「1人4役+α」という構想はずっと前から頭の中にあった。

録画や取材は想定外に苦労したが、その後の編集作業は再びFinalCutが活躍、省みれば大変ながらも楽しい作業であった。

加宮葵作曲 歌曲集「二人の空」(演奏)

お世話になっている声楽の師匠:加宮葵先生が作詞&作曲・更に作曲家の松尾佑孝氏によって編曲された、9曲から成る歌曲集で、自分はそのピアノ伴奏を受け持っているが、実はまだ発表はしていない。本番どころか、加宮先生によるその対面レッスンも、コロナのせいでまだ実現していない状況である。

加宮先生はもう5年ほど前にご主人を亡くされたが、この歌曲集は天国に旅立ったご主人を思い綴った詩集に依るもので、弾いていると実に感極まるものがある。6月に楽譜を頂き、この半年間ずっと練習してきた。いつの日か、何らかの形で公の場に発表したいと思う。

ラヴェル作曲「マ メール ロア」(編曲)

知人によるアンサンブルより依頼を受けて編曲。編成はフルート2本・クラリネット・ファゴット・ピアノ。これにはやはり、コロナ禍で減収となった芸術家の為に文化庁が一肌脱いでくれた給付金が絡んでいた。コンサートに伴う経費・出演料・そしてこの編曲料等、トータル150万円まで支援してくれるという大変ありがたい事業故、自分もその恩恵を受ける事ができた。だがその金額よりも、この時は依頼から締め切りまでが1週間程しかなく(!)、8月下旬はずっと朝から晩までこれにかかりっきりであった。

モーツァルト作曲 ピアノ協奏曲第17番&第24番(編曲)

上記と同じアンサンブルの方達の依頼により、全く同じ編成用に編曲。これはある程度期間が頂けたが、元の曲の規模が「マメールロア」の比ではない。しかも2曲、大仕事であった。11月は専らこれの事しか頭になかった。

「マメール〜」の場合は原曲の寸法はそのままで良かったが、協奏曲をこの編成に作り変えるという事は、曲想を壊さないようにあちこちトリミングしていくという事だ。増してやモーツァルトの作品は、そのどれもが完璧な構成。これを一旦崩すのには実に苦労した。苦労したが、同時にモーツァルトの作曲技法についてはもの凄く勉強になった。

この2曲は来年2月に本番を迎えるそうだ。どんなサウンドになってくれるか、楽しみでもあり不安でもある。

さて、3月から5ヶ月もの間、総てのコンサート・合宿指導等のイヴェントが消え、その間上記のような研究活動をしていたとはいえ、やはりそれでも時間が空いた。

実はこれまで、部屋のあちこちをリフォームしたいなと思っていたのだが、中々時間が取れなかった。今回、これは絶好のチャンスと思い、趣味の日曜大工も手がけることができた。

今夏、こしらえた家具は全部で4点、その他あちこち塗り替えたり等。

そういう意味では充実した一年だったが、やはり来年はこんな事よりも、吹く仕事・そして教える仕事を再び充実させたいと、つくづく思うのである。

2件のコメント

  • 信太(しだ) 能生

    加宮葵作曲 歌曲集「二人の空」について
    21・7・12に本WEBで書き込みを見つけました。もう発表はされたのでしょう? とても聴きたくおもっております

    • yumochan.com

      先日、4曲だけ音と映像を収録しました。只今編集中ですが、公開については作曲者の承諾が必要なので、今のところ未定です。

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