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検証:セーフティガード

フルートを吹く際に飛沫が拡散しないようにという目的で、この度某楽器店が「セーフティガード」なる物を発売したので、早速買って検証してみた。

パッケージには分解された状態で入っていて
組み立ててから付属のシートを被せていく

驚いたのは値段で、これで税別3,000円もする!“百均”で買えそうな代物だが、まあ形状とかサイズとか楽器へのフィット感とか、いろいろ研究と努力の結果の価格なのであろう。

付属のシートは10枚入っているが、30枚で税別500円というパッケージが別売りされている。まあ、被せる形でなければ、自分でも何か代用品が作れるかも知れない。

さて、早速これを頭部管に付けて吹いてみる。

装着の際、角度に気を付けなければならない。結構強い力で管に纏わり付いているので、調整しようとすると頭部管も一緒に回ってしまう。このシートではどの辺りに飛沫が付着するのか判らないので、丁度良い角度が決まらない。

そこで、このシートの代わりに商品が入っていたセロハンを同じ大きさに切ってはめ込み、一通り吹いてから飛沫の跡を検証してみると…意外と飛沫は下の方に飛んでいた。

赤い印の所に集中していた

これに合わせると、前から見て唇が隠れる程上げなくとも良い事が判明した。勿論唇からシートまでの距離は気道を邪魔する程近くもなく、発音にも影響はない。強いていえば、高音やPPの時に顎から首にかけて風が当たるのが面白い。これはこのシート面に当たった息が、アーチ状にはね返って来るもので、冬には寒いかも知れない(笑)

前面から唇が見える位まで下げても大丈夫

ともかく、これで発音時の飛沫シャットアウトという効果はあると思うが、実演に於いては致命的な欠点がある。それはもう、付ける前から薄々解っていた事だが、楽器の響きがかなり減少するのだ。頭部管の先端部分は実は楽器の響きを作るのにもの凄く大切な所である。メーカーも多分そこは心得ていて、楽器との接点部に相当気は遣ったと思うが、その精一杯の結果がやはりこれだ。

まあ、これを装着するのはレッスンとかアンサンブルの練習とかに限られるであろう。ウィルス拡散防止の為に、昨今はリハ会場やレッスン室でもアクリル板やビニールシートが設置されるようになっているが、万が一そういう環境でない時の緊急用として携帯ておくと便利、という程度か。

という訳で、検証結果をまとめてみる。

  • 【利点】
    演奏時の飛沫のシャットアウトができる
    脱着が簡単
    ちょっとしたスタンドにもなる
    軽量なので分解して携行できる
  • 【欠点】
    楽器の響きが止まる
    コストパフォーマンスが悪い
    見た目がみっともない

ただ先述の通り、これを試した事で飛沫の飛ぶ方向が解ったのは収穫だった。そもそもどんな楽器でも、より響かせる為には「なるべく触らない」というのが極論である。なので今度この「飛ぶ方向」を踏まえて「楽器に装着しない」別の方法を、自分でも考えてみようと思う。

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