ソロ・アンサンブル

平成最後の本番は

この31年間、ありがたくも実にいろいろな類いの仕事をし、それなりに稼がせて頂いた。オケは元よりスタジオ・レッスン・講習会・作曲編曲・トレーナー・室内楽・リサイタル・指揮etc…。
一方、様々な施設でボランティアでデュオやトリオのコンサートとにも出演。無料とはいっても、交通費や花束、美味しいお菓子とか頂いて嬉しい限りである。
そんな自分のこの平成時代の締めくくりの本番は、まさにこの老人福祉施設でのコンサートであった。

平成31年4月30日、親戚の伝(つて)により長野県上伊那郡宮田村にあるデイサービスセンターにてフルートデュオと歌のコンサート。午後2時より、クラシックの名曲から懐かしい日本の歌まで、約40分に渡ってフルートやピッコロを吹いたりピアノを弾いたり。この類のコンサートでは最後に「ふるさと」を演奏し、皆さんにもご唱和頂くのだが、今回は“今日で平成にさようなら”ということでもう1曲「蛍の光」も付け加えた。終演後は入居者の方々とお茶と柏餅で楽しいひと時を過ごした。

今回は特に楽しい本番だった。お年寄りの方達は真剣に聴いてくれて、一緒に歌ったり身体を揺らしたり、毎度の事ながらこうして奏者と聴衆が音楽を共有する瞬間は、ガクタイ冥利に尽きるというものだ。何て言うか…平成最後の日に実に相応しい本番だったなぁと思う。
かくして平成最後の曲は「蛍の光」と思いきや、急遽アンコールのコールがかかり、本プロで演奏したビゼーの「アルルの女」のメヌエットをもう1回。これが実質最後となった。

この後、短い時間であったが、親戚の衆(←ここの土地の人々は「人々」や「人達」「皆」の事をこのように「衆」と呼ぶ。2人でも「衆」と呼ぶ)のご案内により、近くに流れる大田切川の吊り橋「こまくさ橋」からの絶景を堪能した。


この時期のこの地方はまだ寒い。夏でも涼しいので、近い将来は教室の合宿として再び訪れるべく、現在準備を着々と進めている。

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