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2017年、今年の「曲」

そして今年も本当に早かった。年が明けたばかりの時は、あまり見当がつかなかったが、月日が経つに連れて演奏会やプログラムが徐々に決まっていき、その度に「まだ時間あるな」「考えてみればヤバいな」「あれもう時間がないゾ」といろんな思いが伴いながらも、ふと我に返ればそれら全てがもう終わっているではないか!顧みれば今年は特にキツかった気がする。気がするが、ちゃんと演奏したかどうかあまりハッキリとした記憶がない。
…とまあ、ここまでは去年の今頃に書いた記事のコピペである。つまりまさに同じという事だが、今年は特にあの『チリ演奏旅行』があった。驚異的な移動距離を強いられて体験した日本と真逆の時間帯・季節はあまりにも印象的だったので、今年の自分にとっての漢字一文字は『』としよう。
さて、では今年の印象的な曲を日付順に。
1.ファーニホウ作曲「カサンドラの夢の歌」
5月の発表会、そして7月の合宿で演奏。無伴奏フルート曲だが、2枚の楽譜を並べて、そのそれぞれにある短いフレーズをランダムに交互に吹いていくという斬新な曲。とはいえ「曲」と言えるかどうか解らない位グチャグチャな音楽で、譜面は真っ黒、とてもさらうのが大変な曲であった。
2.スメタナ作曲「モルダウ」
ご存知、あの有名な交響詩「わが祖国」第2曲。チリ公演のプログラムで最初の曲である。いつもなら曲終盤にようやく出てくるピッコロを自分は担当するのだが、今回は2nd.Flに回った。従って地球の裏側での最初のGフィルの音は、自分の「ピロリロリロリン」というフレーズだった。
3.湯本洋司作曲「ちいちゃんのかげおくり」
フルートアンサンブルとピアノとナレーションの為に書いた、あまんきみこさん原作による音楽物語。自分は指揮を担当。ピアニストは同級生つまりプロ、ナレーターもプロの女優さんなので、このお二人に助けられて会場は感動に包まれる名演となった。将来再演できればと思う。
4.別宮貞雄作曲「春近き日に」
この作曲家は「べっくさだお」と読む。大木惇夫氏の詩による日本歌曲で、9月の発表会ではこの曲のピアノを弾いた。題名からすると如何にも小春日和のホッコリ感満載かと思いきや、真逆で吹雪の吹き荒れるような歌だ。当然伴奏も難しく、暑い夏の間はこの“寒い曲”の練習に負われていた。
5.ベートーヴェン作曲「クロイツェル・ソナタ」
今や自分はどのフルート曲よりも、この曲に幸せと悦びを感じるかも知れない。ヴァイオリニストになれば良かったとは流石に思っていないが、先々週のリサイタルでこの曲を吹いたのは、今年一番楽しかった出来事である。ピアニストは高校時代からの先輩だが、もう本当に素晴らしくて何だか感動しながら吹いていた。是非また共演したいと思っている。

さて来年は如何に?差し当たってどんな曲でも演奏に支障のないよう、体力管理と体調維持が課題といったところか。

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