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チリ・レポート〜地球を感じる

長い長い国際線の機内では、どの席になるのか、そして隣にどんな人が座るのかは大変重要なポイントになる。ところが帰路の1便目は、往復4便中で最悪だった。横10列中の真ん中で、しかも隣りがデカいチリ人のオヤジ。一体フランスに何しにいくのだろう?とにかくこれで14時間は精神崩壊レヴェルだ。トイレに立つ回数などをできるだけ減らし、立った際には最後尾のスペースでできるだけ(文字通り)羽を伸ばし、後は只管寝る…そうこうするうちに一晩過ぎて光が差し込み、ようやっとパリに着いた。
パリは北半球、もう夏だ。シャルル・ドゴール空港は昔より随分変わった。更に大きくなったのか、ゲートとゲートの間を電車で移動したりする。ここでは5時間のトランジット。顔を洗い髭を剃り、ラウンジでゆったりしていたのだが、すぐに飽きて早めに出発ゲートに向かう事にした。
ところが、ここのセキュリティゲートで何故か妙に引っ掛かった。うっかりミスで水を入れた水筒を持ち込もうとして、その場で500mlを無理矢理飲み干させられたまではまだ良い。その後手荷物を全部開けさせられて調べられたのが超面倒だ。結局通して貰えたものの、数あるお土産品をしげしげと眺められたのは、ちょっと恥ずかしかった。
考えてみればここはヨーロッパ。近年テロが多発しているのは周知の通りである。日本人といえどもチェックは容赦ないのも解るような気がする。

そして午後1時。最後のAF276便に乗り込むと同時に「ご搭乗ありがとうございます」という懐かしい日本語が聞こえて来た。席は窓側。長いフライトでは通路側が望ましいが、さっきの席よりは何倍もマシだ。窓からの眺めを満喫できるというものだ。雲海の切れ目から見える北欧の風景を楽しんでいた。

成田には翌朝到着予定。なので外は一旦夜になる。幻想的な夜明けが見られる筈だと、期待してカメラを構えていたのだが…
完全に外された。白夜だったのだ。この時期の北極圏は太陽が沈まない。沈まないどころか真横から太陽の強烈な光線が飛び込むので、窓を閉めざるを得ない。我ながら“読み”が甘かった。
おかしいな、さっきまで南半球に居た筈なのに…
そして飛行機は着陸態勢に入り、一旦太平洋に抜けてから旋回して滑走路へ。あんなにカッと照らしていた太陽は分厚い雲に覆われ、雨の中を着陸。飛行機を出た途端「うわなんだこれ!?」という湿気。折しも梅雨真っ只中の日本に帰って来た訳だ。
別に世界中を旅した訳でもないのに、この一連のフライトで地球という球体をまじまじと体験した帰路であった。
そして今、自宅で寛いでいると、昨日までの10日間が夢のように感じる。
       
だがそんな思い出に浸る間もなく、来週早くも藝フィル再始動。続いて夏のブラスバンドシーズンもすぐそこに迫っている。
 

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