12/8…あれから35年
毎朝楽しく見ているテレビ朝日の「グッドモーニング」で、お馴染みのアナウンサー2人が今日から画面から消えていた。不倫というどうしようもない理由。「12月8日といえば思い出す」という嫌な出来事がまたひとつ増えた。自分の誕生日の1日前なのだが。
過去12月8日に何があったか?先ず出てくるのが真珠湾攻撃、太平洋戦争の開戦日だ。またビートルズのファンにとっては(ファンでなくても)あのジョンレノンの受難も忘れがたい出来事であろう。
そして自分にとって最も印象に残っているのは…母校G大でのあの事件だなと思う。
具体的にどんな事件だったかは、ここで説明するのは止めておく。「芸大バイオリン事件」でググってみるといろいろ出てくるので参照してほしいが、かといって「これ、ホントかいな?」とも疑わざるを得ない記事も…。
とにかく当時自分は学生だった。新聞にはデカデカと「〇〇逮捕」の文字。登校してみると、ただでさえ狭いキャンパス内にテレビ局のデカい車が数台デン!と停まっていて、記者達が道行く学生を捕まえてはインタビューしまくっている。自分も捕まったが、その質問が横暴だった。「〇〇先生って、かなり酷い先生だったんですね?」と矢継ぎ早に攻めてくる。酷いも何も、〇〇先生とはお話しどころかお会いした事すらない。何も知らないので何も知らないと答えたのだが「何か噂とか聞いてるでしょ?」と食い下がってくる。
この後どう自分は切り抜けたか憶えていないが、他の学生達も同じような質問攻めに遭っていたらしい。
とある同級生の友人などは、あまりにもその質問がしつこいので、遂にキレて「あんたら馬鹿には〇〇先生の気持ちなんか解らないんだ」と吐いてしまった。若気の至りで思わず「バカ」とか出てしまったのだろうが、そうなるとテレビ局はここぞとばかりその部分だけ切り取ってオンエアしてしまう。後日この暴言は当然ながら新聞その他にて叩かれていたが、友人が思わずそう口走ってしまった経緯を知っている自分は、編集の怖さをつくづくと思い知った訳である。
警察の捜査やマスコミの取材は他の科の先生や学生にまで及んだそうだ。実際、叩けばいろんなホコリが出てきたそうだが、とにかくこの狭い大学が騒然とした数ヶ月であった。
あれから今日で丁度35年。Gフィルの中では、この事件を知っている(遭遇している)メンバーはもう1割位しかいないどころか、当時まだ生まれていない人も居る。このように月日は経ってしまったが、大学の門をくぐると未だにその光景は目に浮かび、自分など何処でインタビューを受けたか、その場所まで憶えている。
現在の穏やかな音楽学部キャンパス。当時は無かった奥の奏楽堂では、この時期恒例の「レクサス・コンサート」が始まろうとしている…….