冒険の波紋
漫画大国・ニッポンだが、一応自分にも好きな漫画というものはある。「マカロニほうれん荘」「北斗の拳」「パタリロ」とかは面白くてよく読んだものだ。「ドラゴンボール」「こち亀」等はまあ普通。巷で大人気の「ワンピース」「ナルト」「コナン」等は逆に殆ど興味が無い。中でも特にファンなのが、荒木飛呂彦さんの「ジョジョの奇妙な冒険」で、第1話からずっと読んでいる。
この度「ジョジョ」のこれまで30年の漫画の原画展が国立新美術館にて開催されている。一個人の原画展としては珍しいそうであるが、何と入場券が日時指定されている位の大人気ぶりである。
自分が行ったのは昨日の午後だが、平日にも関わらず当日券は既に完売、会場には驚く程大勢の人達が並んでいた。日時指定券なのにである。そうか、この人達皆ファンなのか。こういうものはファンの心理としては、同じ好みを共有する人がいるのは嬉しいが、かといってあまり多いと嫌なものである。う〜む、嬉しいような、うっとおしいような。。。
「ジョジョ」の何処が好きか、何故好きかと言われると、返答に困る位いろいろあるが、綜合的に自分の気性にとても“合っている”気がする。この展覧会に来ている人の殆どは、恐らく同じような感覚を抱いているのではと思う。その詳細について語るには時間が無いのでもうやめておく。
且つて自分が引き込まれたり感動したりした場面を、こうして実際の原画として目の当たりにすると、もう感激モノである。顔を近づけては「あ、アノ部分だ!」なんて、心の中で叫んでいる自分がいた。
オリジナルのパネル画もあった。今回の為の描き下ろしだそうで、それらの作画中の作者本人の動画も上映されていた。荒木飛呂彦さんはそろそろ還暦も近づいている筈だが、それにしても異常に若い。せいぜい三十代後半に見える。この漫画の重要な要素である「波紋法」を本当に体得しているのではないか!?と思える程だ。
さてここで、その一部を(ボカシをかけて)紹介する。
オリジナルパネル画
オリジナルパネル画
生原稿の一部
ある時、ある絵の前で、自分の隣で観ていた二人のご婦人。どうやらその片方だけがファンで、相方に(得意気に)いろいろと説明しているのを小耳に挟んだのだが、ちょっとその内容が正確ではないのが気になる。「いや、違いますよ」と訂正したい気持ちをグッと堪えて、展示室を後にした。