続・挫折の乗り越え方?
構えについて
総銀製のフルートだと、その重さは400〜500g位か。そもそもそんな重さの物をずっと横に持ち上げている訳だから、フルートを構えて吹く、というのは結構キツい作業なのだ。
とはいえ、フォームに関してはやはり最初が肝心で、変な癖がついてしまうと、なかなか直らないものだ。肩が上がったり、肘が下がったり、首が前に出たり、猫背になったり。時折鏡でチェックするようにすると良い。疲れてきたらくれぐれも無理をせず、こまめに休憩を取るようにしてほしい。
自分の場合、普段はダンベルを使って、肩周り・腕周りの筋トレをしている。尤もフルートを吹いているだけで、その辺りの筋肉は付いてくるものだが、更に少しだけ盛っておくと、構えるのが随分と楽になってくる。日々のシェイプアップにも役立つであろう。
参考までに、ここに幾つか紹介しておこう。ダンベルの重さは1〜2kg位か。水を満たした500mlのペットボトルでも可。
Lying Triceps Extension:上腕三頭筋の強化
Shoulder Press:三角筋の強化
Side Raise:三角筋と僧帽筋の強化
Arm Curl:上腕二頭筋の強化
それぞれ10回×1〜2セット位か。負荷をかける(持ち上げる)時に息を吐くようにする。
詳しいやり方や注意点については、専門の書籍やサイト等を参照してほしい。
あとがき
大人の趣味として初めてフルートを手にしたものの、楽器を構え、支え、音を出し、指を動かす…それら一つひとつの動作に想定外の苦戦を強いられることになった、という人も多いであろう。
まあ、上手くいかない時というのは、意外と自分の出す音や状態を客観的に認識していないものだ。例えば、メトロノームをかけてみても、そのメトロノームとずれていることすら気付いていない等。
だがそこは便利な世の中、現代のスマートフォンや携帯電話には録音や録画機能が付いているので、是非これらを活用し、自分の演奏を見たり聴いたりしてほしい。マイクやレコーダをいちいちセッティングすることなく、譜面台の傍に置いて、赤いボタンをタップするだけなのだから。
自分も今更ながら、“自録り”や“自撮り”をして、アムブシュアやフィンガリングなどチェックしたりしている。
とまあ、エラそうな文章等寄稿させていただいたが…………..何か引っ掛かる。
そもそも「挫折」とは何だろう?
何か困難な局面に当たった時に、それを安易に「挫折」と呼んで良いものか?
自分にとって「挫折」とはもっと重いものである。ちょっと音が汚いとか指が動かないなんて問題ではない。この先、本当にどうしようか、もう辞めたいとか、人生投げ出したいとか、それ程の絶望感を伴うもので、自分もフルート人生に於てそれに近い経験をしていない訳ではない。そして何より、自分はそれを乗り越えたとは思っていない。というか、乗り越えたという感覚なんて一生解らないだろうと思う。
そんな自分が「挫折の乗り越え方」について指南するなんて、片腹痛い話なのだ。だから今回、敢えて自分の中では「挫折」という言葉を〜何と言おうか〜「壁」にでも置き換えて書いていた。
本当の「挫折」を乗り越えよう、という方はあまり参考にしない方が良いかも知れない。