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消し飛ばされた時間

荒木飛呂彦さんの人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の第5部に出てくる“ラスボス”の能力は「時間を数秒消し飛ばす」事ができて、その間に攻撃できるという恐ろしいものである。現在の自分はまさにその「数秒」どころか、数ヶ月が一気に消し飛ばされたような感覚だ。

いつの間にか今月も半分過ぎているではないか。自分が何か仕事した記憶といえば、あの「偉大なるオーボエ奏者」の記事にあったブラームスのVn.協奏曲の時で、あれ以来5ヶ月もの間ステージに立っていない。

確か今日もモーニングコンサートで、初の箏曲の伴奏の本番があった筈だ。数えてみると今日までに出演予定だった15公演が消え、この先も実質9月一杯はキャンセルとなるであろう。

新型コロナウィルス感染症COVID-19は、例年自分に関する様々なイヴェントを消し去ってくれた。小中学生の為の音楽鑑賞教室・受難週音楽礼拝・春合宿・夏合宿・吹奏楽コンクールetc…とにかく人が“集まる”ものは総て中止、淋しいものである。

元々自分は出不精なので、そうなると本当に不要不急の外出はせず、殆ど自宅で音楽研究・作編曲・そして音や映像の編集等をしていてその成果をサイトで公開もしているが、とにかくこれが逆に忙しい。しかしながらそれらの事をしていた経緯が、今となっては夢の中の事のように思えてならない。外で仕事するよりも家に居る時の方が、時間の経過が遥かに早く感じられ、一日一日があっという間に過ぎてしまい、そのペースについていけないもう一人の自分がいる。今日現在は梅雨明けの兆候もなく、肌寒ささえ感じる雨空が続く。そのせいでもあるのか、体感的にも夏が来たという感じがしない。朝起きて「今はまだ5月位かな?」なんて思いながらカレンダーを見て「え!?」と驚く有様である。

国内では「緊急事態宣言」が出され、延長され、そして解除された。解除されたらまた感染者が爆発的に増えた。そんな中で先のイヴェントが秋以降、いや来年以降でも復活する見込みはあるのか?感染拡大も恐ろしいが、同時に危惧されるのはイヴェントの中止に伴うモチベーションの低下だ。子供も大人も。「家で頑張る」のにも限界があるだろう。なんとかそれを防がねば、早いとこ復活してくれなければ…つくづく思う今日この頃である。

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