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チリ・レポート〜過酷なフライト

海外渡航は久しぶりだ。だが今回はこれまでで最も長く過酷な旅である。
まずはパリまで12時間のフライトとパリでの7時間のトランジット。太陽と一緒に移動する形になるので、外はなかなか夜にならない。ドゴール空港到着は現地時間の午後4時。1年で最も昼が長い時期なので、夜8時になってもここはまだ日が沈まない。だが体内時計は正直で、徹夜しているのと同じ状態だ。23時40分にサンティアゴ行きが出発する頃には日本では翌朝になっているという身体。なので往きは機内よりもトランジットの時の方が体がきつかった。

そして更にここから14時間。外は暗いので寝ていれば良いのだが、これもそういう訳で身体はそう簡単にはいうことを聞かない。眠いけど眠れない、みたいなことを繰り返しているうちに外は次第に明るくなり、ようやくサンティアゴの「アルトゥーロ・メリノ・ベニテス空港」に着いた。
地球を半周もして南米に入ったんだなという実感は、ここの寒さで初めて湧いてきた。チリの6月は真冬。パリでは33度という暑さだったので、まさに別世界。天候は曇り。空港内も何だか寒々とした雰囲気であった。
今回の宿泊先である、サンティアゴのシェラトンホテルまでのバスの車窓の風景にはちょっとしたカルチャーショックを受けた。貧しそうなバラックが並び、建物の壁は落書きが続き、川沿いにはゴミが散乱、かと思えば名産のワインの葡萄畑が見え、そしてすぐ向こうにはアンデスの美しい山々がそびえる。街に入っても近代的な街並みと粗末な建物のギャップは途絶えず、チリという国の貧富の差がもうこの時点で感じられたのである。



今回のコンサートを聴きに来る人達はどんな人達なんだろう…結構裕福な人達なのか、とにかく明日からの仕事、期待と不安が入り混じった気持ちである。そんな中、ホテルはダブルの部屋を貰えてラッキーであった。つかの間の休息。

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