オーケストラ,  作曲家・作品,  藝フィルレポート

続・指揮者の振る通りに吹いてはいけない

(昨日の記事の続き)
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3.「ピアノ協奏曲」より。
12/8拍子なので指揮者も周りも普通に3×4の4ビートで進む。だが、ピッコロソロだけは唐突にこんなリズム。
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これは見ての通りどう考えても変拍子だ。言うなれば8分の6+5+6+7+2×3+6+5+6+7+2×3拍子。これを吹こうとすると、指揮者のごく普通な4ツ振りが極めて弊害になるのだ。だが他の全員は12/8なので仕方がない。しかも自分がこれをちゃんと吹かないと、🇵から他の木管が続いて全く同じ旋律を吹き始めるのに、迷惑をかけてしまう。
恐るべき脳トレ。斯くなる上はもっとこのリズムを身体に沁み付けるべく、吹いていない時でもいつも頭の中で拍子をとりながら歌っていた。街を歩いてる時、風呂に入ってる時etc.
尤も、こういう“固定拍子の中の変拍子”は、この曲全体に渡って至るパートに出てくるので、一番ブレてはいけないのは当然指揮者であろう。ところがこの曲は協奏曲。ソリストとの兼合いでそれなりにテンポを調整しなければならなかったようで、流石にこの時ばかりは指揮者にちょっと同情した。


さてこのコンサート、お客さんは意外や意外、かなり沢山入った。多分一晩でこれだけのリゲティのオケ曲が並ぶ演奏会は、後にも先にもまず無いからであろう。結構ファン層が厚いのだなと畏れ入った。
しかし、4曲全部出演した身としては、本当に苦しい演奏会であった。例えば中にピアノや声楽曲を挟むとか、もう少しオケに優しいプログラミングができないものかと、正直、プログラムを組んだ奴に腹が立っている。一体誰だ!?

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