オーケストラ,  作曲家・作品,  藝フィルレポート

好意的な譜面・非好意的な譜面

20160603Gphil
凄まじいシリーズが終わった。今回のこのコンサートを巡って沢山のネタが生じた。
先ずは何と言っても彼の音楽。リゲティの曲といえば、木管五重奏の為の6つのバガテルしか知らなかった。しかもこれ、聴いただけで演奏した事がない。演奏しようにも我々アマデウスWWQにはまず無理だろう。
パート譜を貰ってザックリ吹いてみる。これまでの経験上譜面面に嫌な予感を覚える。早速便利なYouTubeを開いてみると、驚いたことにプログラム全曲上がっていた。
パート譜片手にじっくり聴いているうちに…とにかく、いろいろな意味で今回ばかりはヤバいと思い、必死でさらい込んだ。
一方、事務局より配信されたスコアを見てみる。その緻密さに思わず「うわぁ…」と声が出ると同時に、ちょっと感動もした。よくこんなに沢山の細い音符が書けるものだと。もう1点、地味に感動しているのが写譜屋さんによるパート譜起こし。手書きのスコアから手書きのパート譜…
例えば「ピアノ協奏曲」のある箇所の作曲者の自筆スコア。一番上の段がフルート。
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この部分のパート譜起こしがこちら。
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特に目立った写譜ミスもなく、流石はプロの技。となると、こちらもできるだけ正確に再現しなければ…という気持ちにもなる。
さてところで、ここからはちょっと話題が変わるが、これの1週前のシリーズで吹いた楽譜、これはハイドンのトランペット協奏曲。
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明解なパート譜だが、よく見ると鉛筆書きでアーティキュレーションがいろいろ直されている。どうやら出版社の違いに因る手直しだと思うが、とにかく頗る読み辛い。吹いていて腹が立ってきた。
という訳で、現代音楽の複雑怪奇なパート譜(リゲティ) vs 古典派の明解な協奏曲(ハイドン)のパート譜、どちらがプレーヤにとって好意的な譜面かというと、確実に前者なのである。ちゃんと吹けるかどうかというと、話はまた別だが…

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