オーケストラ,  藝フィルレポート

オケに入るのって…

先日、Gフィルの入団オーディションがあった。パートは…
何とコンサートマスター。なので、審査員席には大学の指揮科、弦楽科からピアノ科までお偉方が並び、そして我々楽員も同席という、ひときわ厳格なものであった。しかもこれは二次試験で、既に沢山の応募者がボロボロと落とされ、この日の受験者はたったの2名。
受験者はホールステージの下手側にて演奏、聴き手は客席ではなく、同じ舞台上の上手側に座る。
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自分はその最後列で聴いていたが、面白い事にその音は正面からよりもやはり反響板を介して右側からよく聞こえて来る。普通に舞台中央にて弾いてもらって、客席で聴いた方がよっぽどちゃんと聴こえる。一体誰がこんなセッティングにしたんだか…。
さて、コンマス試験ともなると、弾く曲の量もハンパない。1人あたま40分以上弾かされる。モーツァルトのソナタ第1楽章、ブラームスの協奏曲第1楽章、バルトークの協奏曲第1楽章etc.まあ途中で切られていたとはいえ、考えてみたらプロの奏者が真剣勝負でかかってくる訳だから、自分にとってはちょっとした名曲ガラコンサートをタダで聴かせて貰って得した気分だ。
だが、試験曲がオーケストラスタディともなると、事情が違ってくる。コンマスだからコンマスがオケの中でソロで弾く部分とかが課題で出てくるが、その演奏は両者共「?」という感じ。Tutti(セクション全員で奏する事)の課題でも、例えばブラームスの「ハイドンヴァリエーション」とかメンデルスゾーンのイタリア交響曲の第3楽章とか出ていたが、時折テンポが狂ったり妙に音が大きかったり、実際オケでこんな風に弾かれたら周りは困るだろうな〜と思った。
恐らく2人共オケやコンマスの経験はあると思うが、やはりオケスタは自分のパートだけではなく、他のパート動き、コンマスの場合は指揮者の動きまで想定して弾くべきだろうと思う。
とにかく演奏が終わり、その後すかさず手前の椅子に座らされて面接。こういう時って普通の会社と違い、面接する方もされる方も不慣れな様子が伝わり、側から見ていてそれがちょっと面白かった。
それでもちゃんと投票して帰って来たが、さてどうなるか?こういうオーディションって、結局合格者無しでまた募集仕直しって事もよくあるのだ。Gフィルはそんな訳で未だ第2ヴァイオリンの首席奏者も1人空席のままである。
オケの人選ってつくづく大変だなと思う。
おまけ:受験者達の履歴書を拝見したが、 お二方共その字の汚いこと!採用基準には関係ないとはいえ、少しはよそ行きの文字で書く気配りも欲しいところだ。元々こんな文字しか書けないのか、それとも社会常識にやっぱり欠けているのか…

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