モーツァルトと子供
G大のオープンキャンパス期間中に、早期教育プロジェクトの受講生から選出された子供達数人をソリストに招いてコンチェルトを演奏する「ドリームコンサート」が開催された。
小5から中2までの男女4人が、それぞれハイドン・シベリウス・モーツァルト・ベートーヴェンの弦やピアノの協奏曲を抜粋で演奏し、Gフィルがそれに伴奏をつける。大方この「ドリーム」とは、音楽家になりたいという子供達のこの「夢」を実現させたいという思いから来る名称であろうが、今日弾いた子供達はもう既に音楽家ではないかという程のレヴェルの高さだった。
このコンサートの3番目に出演したのは小学5年の男の子で、モーツァルトのピアノ協奏曲を弾いていた。モーツァルトの音楽はそれ自体が子供みたいに純粋なので、それをこれ位の年齢の子が弾くとまさにぴったりハマり、聴いていて「これか!」って思った。
普段モーニングコンサートで共演している若者だってまだ20代前半、十分若いのだが、それだけにある意味大人の円熟味をこれから目指していく年齢。その意味では、もしかしたら今日伴奏したモーツァルトは、そうそう聴く機会もないなかなか貴重な演奏だったかも知れない。オケの同僚達もまさに同じ事を言っていた。
まあ、大人だ子供だ言っていても仕方ないのだが、やはり音楽は生き物、弾く人がこれから様々な人生経験を重ねて成長していくと、その演奏も同じように成長していく。その円熟したモーツァルトもまた違った味わいが出てくるだろう。5年後、10年後、そして20年後の彼の演奏を、できれば同じ曲で聴いてみたいものである。
このコンサート、もう3年程前からこの時期に開催されているのだが、自分がこれに乗ったのは初めてであり、まあ知ってはいたけれど改めてビックリした。自分が彼等の年齢の頃なんかフルートを手にして間もなくだったし、ピアノすら習っていなかったし。
フルートはその楽器の大きさ故、始められる下の年齢(もしくは身長?)は限られてくるが、それでもそのうちフルートの凄いソリストだってこのステージに現れるかも知れない。