満場一致
そして今年も「さいたま市ジュニアソロコンテスト」の審査員をさせて頂いた。一昨年は予選、昨年は本選、そして今年は予選の審査であった。2月3日(土)と4日(日)。会場は2日間共、同市桜区にある「プラザウエスト」内の「さくらホール」にて。ここはとても綺麗で響きも良く、キャパは300位か。自主公演で使ってみたいところだが、最寄りの駅が無いに等しい程遠いという、決定的な欠点がある。ご近所さんか車持ちしか、お客としては招べないだろう。
2階右側がさくらホール
隣は畑で、電波塔が聳え立つ、何とも長閑なロケーションである。
昨年の参加者は400名を超えて「凄いな〜」なんて思っていたのだが、今年は更に500名を上回ったそうだ!何故こんなに人気があるのか?
先ずこのコンクールは参加者全員が人前で生演奏ができるということ。昨今よくあるテープ審査ではない。また、伴奏は付けても付けなくても良い。この時期は風邪やインフルでドタキャンした可哀想な子もいたが、伴奏者が何らかの理由で急に弾けなくなったとしても、独りで吹いてもOK。極端な話、伴奏の有無や上手下手は、余程の事がない限り審査には何の影響もない。
当日はリハーサルもできるし、舞台上でのチューニングもOK。演奏時間は舞台で音を出した時点から4分と決められているが、もしこれを超過した場合、演奏は途中で切られるが別に失格にはならない。
そして審査終了後は、表彰式までの間に審査員による「ワンポイントアドヴァイス」と「ミニコンサート」がある。参加者にとってはなかなかの至れり尽くせりで、これだけ待遇が揃って参加料が何とたったの1,000円(本選は+2,000円)!流石にこれはもうちょっと値上げしてもと思うのだが…。
さて、2日間でこの500余名を“捌く”には、どうしても複数会場で同時進行せざるを得ず、 4箇所で1日約60名ずつ審査していくが、それでもなかなかキツいものがある。そして審査員は各箇所3名。この3名で目安として小学生2名、中学生4名の本選出場者を選出していく。60人の中から6人、つまり1割。結構狭き門だ。
という事はもう、審査員による採点のバラつき(◯○先生は高く評価してくれたが、△△先生は厳しかったとか)があってはもうアウトな訳で、3名全員が『ウマイッ!』と唸るような演奏をしないと本選には上がれない。たった3人でも“満場一致”が突破の条件なのだ。
何だかんだでやはりこれは熾烈な戦いなのだが、受かった子も落ちた子もこの為に相当な練習を重ねた効果は決して無駄にならず、皮肉にも本番後にレヴェル・アップするものなのである。なので、この500名の参加者全員がこれから春までの間にグン!と上手くなる事は確実。まさに「参加する事に意義がある」コンテストなのだ。
本選は来る2月18日(日)会場はさいたま市文化センター小ホールにて。自分は他所で本番のため聴けないが、出場が決まった子供達の健闘を祈っている。