和尚さん達の音感

父親が他界してはや10年、命日イコールお寺のお施餓鬼の日なので、毎年お墓参りを兼ねる事ができる。猛暑に悩まされる時期でもあるが、今夏はそれでも少しだけ凌ぎやすかった。

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さて、本堂では施餓鬼会(せがきえ)が催される。導師の入場に伴って、隅にある立派な和太鼓が、若い和尚さん(多分アシスタント役)によって打ち鳴らされる。

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このリズムがなかなか面白い。最初は鼓面をドン!と数発、accelerando(次第に速く)していき、次に周りの鋲の部分を撥で軽く撫でまくる。「バラバラバラバラバラバラバラ、バラバラバラバラバラバラバラバラバラ…」次に縁を叩く。ゲーム「太鼓の達人」では「カッ」とやる所だが、ケークウォークを2倍速にしたような、軽快なリズム。さながら和尚さんがスキップで登場するかのようだ。

だが当然導師は厳かに登場。太鼓によるBGMも終わり、読経が始まる。これは参列者も全員一緒に唱える。手元に配られる般若心経の経典には、ちゃんとふりがなが振ってあるので唱え易い。巨大な木魚の「ポクポク…」というビートがメトロノームの役割を果たしていて、耳に心地良い。眠くなりそうだ。

ある所まで辿り着いたら今度は「お焼香タイム」となり、その間お経は3人の和尚さんだけの“トリオ”となる。

この三重唱はただ皆で同じ言葉を唱えるのではなく、solo:つまり一人のお坊さんの導入があってからTutti:全員のお坊さんが続くという、なかなか面白い形式…で、暫くすると何か音程が付いてきて楽音ぽくなってくる。Des-Dur(変ニ長調)の音列で、いちいち第3音から主音に解決するフレーズ。このDes-Durってのが、思い起こせばアカペラなのに昨年も一昨年も同じで(!)和尚さん達は、もしかしたらちゃんとした音感を兼ね備えているのかも知れない。

10年前の父の葬儀の時は和尚さんがシンバルみたいな楽器をワランワランと打ち鳴らしながらお経を唱え、全く不謹慎ながらも何だか可笑しくなってきた事があった。

そして先日の伯父の葬儀では、何かお経に西洋風の音列が伴い、何となく現代風な空気を感じた。

仏教と西洋音楽は国も時代も違うのに、何処か共通点がある。そういう研究は昔から多々あれど、こうして身近に感じるのはなかなか面白い事だなと思うひとときであった。


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