アイ・コンタクト

引き続き発表会ネタ。

本番に臨む際にステージ・マナー等、(一応自分のことは棚に上げて)前以て生徒さんにいろいろアドヴァイスしておくのだが、服装や譜面台の高さなどは元より、一番気をつけて欲しいのが演奏前と後のお辞儀である。後の方は拍手が来るからまず忘れる心配はない。問題は演奏前だ。意外と忘れておもむろに吹き始めちゃう人が結構いるのだ。お客さんは拍手しようと両手を構えているのだが、構え損になることがしばしば。

だが今回「お辞儀を忘れずに」だけ言っとけば良い訳ではないことが思い知らされた。というのは…

発表会では大概各演奏の前に、演奏者と曲目の紹介MCがある。それが済んでからお辞儀すれば、演奏開始までの自然な流れができる。教室や先生によって微妙に違うだろうが、一例を挙げれば、1.MC→2.登場→3.楽譜&譜面台セット→4.お辞儀→5.伴奏者とアイ・コンタクト→6.演奏→7.お辞儀→8.退場という流れだ。

3.と4.は逆の場合もある。5.は「吹く準備ができました」という合図だ。とにかくこういった手順は、特に“発表会慣れ”していない人には徹底的に仕込んでおくべきだ〜べきだったのだが、そうしなかった為に、ある自分の生徒さんの演奏でこんな事が起こった。

その生徒さんは1のMCの間に2から4まで全部済ませてしまった。そんなに長いMCではなかったのに、とにかく行動が素早い。要するにお辞儀をした事はしたのだが、お客さんが拍手する暇さえなかった。MCが済んだ頃には、もう戦闘態勢に入っていた。

で、ここからがアクシデントだ。5をやらなかった!その結果、伴奏者が楽譜…いやまだ椅子の高さを微調整しているうちに吹き始めてしまったのである。よりによってこの曲の最初の音はA。恐らく伴奏者はチューニングだと思ったのだろう、最初はキョトンとしていたが、慌てて弾き始めた。

その時に凄いな、と思ったのは、この伴奏者、咄嗟の判断だと思うが、極めて自然に2小節目から滑り込んで来た事である。だから知らない人には最初っからこういう曲なんだろうなと思えるような弾き方で、結果的にあまりアクシデントに聞こえなくて済んだ。

例によって録音機を見つめていた自分は「あ”っっ」と冷や汗をかいたり、次にそんな訳で伴奏の方に感心&感謝したり…そして最後に自責の念にかられた。アイ・コンタクトについて、直前に一言でも言っておけば良かったと、今は後悔している。1015IMG_1584

世間では昨今、ラグビーのワールドカップで日本が快進撃し、そしてあの五郎丸歩選手のルーティンというのが話題になっている。そう、やはりステージでの演奏開始までのこの流れもいわばルーティンである。別に楽器を2回回したり、譜面台から3歩下がって1歩前へ〜なんて事はしなくても良いが、舞台に出てからの基本的な動作について、今度からはもっと徹底していきたい。


カテゴリー: コンサート, ソロ・アンサンブル, 失敗・反省, 演奏会報告 タグ: , , , パーマリンク

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