G大オペラつれづれ〜色々な演出

1998年 モーツァルト「魔笛」

奏楽堂完成記念公演として6月に行われたが、9月の本公演では会場を「すみだトリフォニーホール」に移した。これには理由がある。実は奏楽堂のパイプオルガンがまだできていなかった。とりあえず記念公演を幾つか開催した後、すぐにまた閉鎖して工事に取りかかったという次第である。

さて、この辺りから演出にちょっと特徴が出てきた。

この時の「魔笛」の舞台は何と“宇宙”。タミーノや3人の魔女の扱う剣はあの「スターウォーズ」のライトセーバー(流石に振り回す時に「ブォン」という音は鳴らなかったが)。それに何といっても、タミーノの魔法の笛のアリアで登場する動物達が…ウルトラ怪獣だった。ピグモン・レッドキング・そしてバルタン星人の3体。それもその筈、この時の演出は実相寺昭雄氏。ウルトラマンシリーズの演出家である。円谷プロの協力により実現したこの演出は、後に二期会に引き継がれる事になる。あれはなかなか面白かった。

2001年 モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」

舞台は「現代」。色男ドン・ファンはエルヴィス・プレスリーを思わせる派手な白の上下。ケータイ(流石にまだガラケー)片手に女の子たちを引っ掛ける。有名なアリア「カタログの歌」では、相手にした女性一覧をノートパソコンを広げて見せびらかす。確か主役は当時大学院生だった宮本益光氏が演じ、現代語風に訳した字幕も担当していた。

2002年 ニコライ「ウィンザーの陽気な女房たち」

何とここでの舞台は「江戸」。キャストは全て着物にカツラ。歌以外のセリフは日本語で「えろうすんまへん、◯◯はん、◯◯◯でっせ」みたいな喋りっぷり。丁度時を同じくして、NHKでは「お江戸でござる」というコメディーが放送されていたが、まさにそんな感じだった。流石にここでは役名も「フルート氏」=「大川氏」みたいに日本名にしていた。

さて、現代ドンジョヴァンニにしても大江戸ウィンザーにしても、歌になると原語だから、自分はどうしても違和感を感じてしまう。尤も、こちらはピットで只管演奏する立場なので、あまり関係なく自分の譜面を追っているしかなかったのだが…今となっては良い思い出である。

その後、目立って変わった演出はなく、それぞれの曲本来の演出と舞台セットに戻った。はやり自分としてはそれなりの安心感がある。予算の都合上だと思うが、えてしてセットは比較的簡素ではある。でも最低限のシテュエーションは表現しているのであろう。


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