熱と母とレッスンとデパート

…珍しいことに、この1週間で2回熱を出した。

とはいってもちょっとした微熱である。37℃前後。勿論普通に仕事に行ったが、それでも滅多に風邪を引かない大人の身には結構辛どかった。

さて、小さい子供ならこの程度なら走り回っているだろう。でも38℃近くまで上がってくると流石にちょっとグッタリというところか、親なら学校を休ませるレヴェル。周りの子にも伝染してはいけないし。

ところが自分の母親は、そう簡単には休ませなかった…とはいっても学校ではなくフルートのレッスンの話。

今でも忘れない。小学生の時、風邪をひいて38℃位の熱を出して寝込んでいたのだが、母は「今日はレッスンだよ」と無理矢理自分を起こして着替えさせ、レッスンに行かせたのであった。

とはいってもすぐ着くような距離ではない。駅まで自転車で15分、電車に乗って20分、更にそこから徒歩で5分位。一応母親も一緒に付いて来て、電車の中ではしきりに「大丈夫かい?」と声をかけてくれた。(そんなに心配なら休ませろよ〜。変な親)

変な親ぶりはまだ続く。普通レッスンが終わったらすぐさま帰宅して、この具合の悪い息子を寝かせるだろう。ところが、帰りに「デパートに寄ってくかい?」と誘うのだった。フルート教室の近くに「高島屋」がある。その日は8階の催事場にて「縁日」なるものを催していた。

自分もそんなに行きたくない訳でもなかった。子供にとっては寝ているよりもこっちの方が取り敢えず楽しいのだろう。「縁日」では苺シロップのかき氷を食べさせてくれた。熱でポーッとなっていた身体には、これが身に浸みて美味しかった。

その後の事や肝心のレッスンのことについては全然憶えていないのだが、この衝撃的な出来事はこのように断片的に脳裏に焼きついている。何故行かせたのか? 思うにウチはそんなに裕福な訳でもなかったから、折角の月謝が無駄になるのが許せなかったのであろう。

それはそれで頷けるが、目の前で辛そうに笛を吹く少年を相手にする先生にとっては、さぞかし迷惑な事であっただろうと察する。

 

そう。今日は母の命日。あれから18年経った。いやはや、本当にイイ母親だった。

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両親の眠る墓石のすぐそばの枝垂桜は、毎年命日の前後が見頃である。

 


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熱と母とレッスンとデパート への2件のフィードバック

  1. マグダレーナ のコメント:

    Yumochan 様
    お久しぶりです。
    今日、Mちゃんとメールでやり取りしていましたが、お母様の命日でしたか・・・・
    美しい枝垂桜を見上げて、お母様との思い出を偲ばれたことでしょう。
    思出話も心にしみます。

    ところで、この冬は「よう連箘」による熱の風邪が流行りましたが大丈夫ですか?
    字を忘れましたが、一体どんな箘なんでしょうね・・・
    ハノンの話し、ピッコロ奏者の背筋の話し、文才があって本当に面白いです♪

    • yumochan.com のコメント:

      マグダレーナ様
      ご無沙汰しております。拙い記事ですが、読んで頂き本当にありがとうございます。
      4月にしては妙に寒く、また風邪ひいたら嫌だなと思いますが、お蔭様であれから大丈夫なようです。
      溶連菌は結構ヤバいらしいですね。ウチは大丈夫でした^o^/

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