初めての後打音

Gフィルの2014年度最後のモーニングコンサートは、モーツァルトとグノーの歌曲、そしてシューマンのヴァイオリン協奏曲と続いた。

0220DL_0002シューマンのヴァイオリン協奏曲とは、実はなかなか珍しい。ピアノやチェロの協奏曲ならよく聞くのだが。そんな訳で自分も入団27年目にして、初めての経験であった。


ところでこのパート譜に実に不可解な表記があった。

これは第3楽章に何度か出てくる装飾音。

0220PDF_0001

第38小節からでⒶのような譜面に出てくる「tr」は、その曲想からしてⒷの様に奏すれば良さそうに思える。

ところがそのうちⒸやⒹの様に、trの横に「x」(ダブル・シャープ)や「#」(シャープ)が付くのが出てくる。

0220PDF_0002

楽典によれば、この記号が付くとトリルで上げた音にxや#を付ける訳だが、その通りに吹くと、このフレーズの流れからして、何だかもの凄く変な事になってしまう。それに後打音を加えて5連符にしてみたのがこのⒺとⒻ←つまりダメな例。

0220PDF_0003

まあ〜すぐに解読できたが〜要するにこのxや#、トリル記号の”斜め上”ではなく”真横”に付いているという事がポイントで、これらはトリルの後打音、つまり下に寄り道した音(矢印↓)に付けるべき物なのである。つまりⒸ&Ⓓは、それぞれⒼ&Ⓗのように演奏するのが正しい。ということは、遡るとⒶもⒾのように吹く方が良い訳だ。

0220PDF_0004

勿論この奏法は自分だけの見解でなく、このフレーズを持っている他の奏者、そして指揮者とも申し合わせ済みである。

これはこれで解決済みなのだが….どうも釈然としない。

何より、そんな訳でこの記号共、もの凄く読み辛いのだ。「ナントカのひとつ憶え」みたいに何回も何回も出てくるし。場所によってはいちいち音や調性を確認しておかねばならない。

自分もこのような臨時記号のみの後打音なんて初めて見た。最初からシューマンが後打音を(面倒臭いから)書いていなかったのか、それとも出版段階で消えたのか、それとも元々ただtrのみだったのにクララが面白がって足したのか、真相はよく判らない。判ったところでどうということはない。とにかく、至極迷惑な表記の仕方であった。


まあ、そんな細かいこととは別に、曲自体はとても良かった(勿論演奏も良かった)。今まで採り上げられなかったのがちょっと不思議な位である。


カテゴリー: 未分類 タグ: , パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください