ローマの噴水と胸式呼吸

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レスピーギの「ローマ三部作」の一つ、交響詩「ローマの噴水」の本番を終えた。

その中のピッコロパートに次のようなフレーズがある。

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これはファゴットとの2オクターヴ・ユニゾンによるSoliだが、この譜面で非常に困るのは、このフレーズ全体にかかる長いスラーである。

これが書かれているということは、つまり「旋律を途中で切るな」ということ。

このメロディーは第1曲「夜明けのジュリア峡の噴水」のメイン・テーマ。あちこちに出てくる。が、スラーはそれなりに切れている。

それだけに、敢えてこのPiccolo&Fagottの部分だけ1つのスラーで纏めてある点に、作曲者の意図みたいなものが感じられる。だが、我々は管楽器奏者。このフレーズをワンブレスで乗り切るのは至難の技だ。

考えられる方法は3つ。
1.せめて最良の箇所でブレスして、フレーズを分ける
2.循環呼吸を使う
3.ワンブレスで乗り切る

結局3にした。2はできなくはないが、このフレーズではバレてしまう。1は絶対避けたかった。

そこで駆使したのが胸式呼吸だ。

普通、管楽器の基本の呼吸法は腹式で、胸式はダメと言われている。確かにその通りだが、実は腹式で吸った場合、まだ肺には空気の入る「余地」があるのだ。更に空気を入れて肺をパンパンにする際に使うのが胸式呼吸である。

胸式は人間が普段やっている呼吸だから、別にやり方というのはない。が、ここでは胸を前に開くようにして吸う。肩が上がるがこれは本来生徒には「ダメ」と言っている方法だ。敢えてこれもやる。

で、このフレーズの場合だが、今回は直前の小節の最初の3拍で腹式で吸い、次に4,5,6と段階的に胸式で入れていく。両肩は上がり、肺の中はもう120パーセント溜まった。

それでもリハでは何度か最後まで音が届かないことがあった。余程前半の3小節で息をセーブしていかないと駄目だ。

そんな訳で昨日の本番。今度は前半でセーブし過ぎて、結果息がちょっと余ってしまった。もう少し前半歌えたかなと、少しだけ悔いが残る。

この腹式+胸式の呼吸法は、確か「第2呼吸法」という言い方で昔の声楽の教則本(アグリコラだったか?)に書かれていた記憶がある。多分ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」「小組曲」やラヴェルの「ボレロ」等のソロでも使えると思う。

因みに、同僚ファゴット奏者は余裕でワンブレスで吹いていた。凄い….


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