障害の壁、国境の壁

G大の演奏芸術センターの主催する「アーツ・スペシャル〜障がいとアーツ」のシリーズが昨日終わった。

身体の様々な障害を乗り越えて、音楽・美術・書道の各方面にて活躍する人達によるパフォーマンスをはじめ、特別支援学校の子供達による作品発表などが、ワークショップ、シンポジウムからコンサートまで、いろいろな形でのイヴェントが詰まった2日間。

アーティストは国内だけではなく、アジア各地からもそういった人達を招き、その素晴らしい演奏や作品を披露してくれた。

20141208

奏楽堂が展覧会場にもなっていた。

 

さてその中に、隣国の視覚障害者によるチェンバーオーケストラがあった。

だが彼等全員が目が見えないわけではなく、視覚障害者は20人程の中の8名。初日は単独でコンサートを行い、2日目の昨日は我等Gフィルとの合同演奏。

つまり、実際に各パートが分散してGフィルの中に溶け込んでいく訳だ。曲はヴェルディの歌劇「運命の力」序曲。リハも本番も滞りなく進み、タイミングやピッチもずれたりなんかせず、大いに盛り上がって終わることができた。

曲の中に出てくるフルートやクラリネットのソロはそのメンバーが吹いていたが、2人共全盲。メロディーのタイミングや雰囲気を完璧に捉え、素晴らしかった。まさに音楽に障害や国境の壁はないと感じた瞬間であった。

但し、それは演奏のみ。

それ以外の場面ではどうだったか?

このオケのフルートパートは2人。1人は健常者(女性)で、そのもう1人(男性)の介添役もしながら演奏していた。それはそれで大変且つ立派なことだとは思うが、隣に座る自分やGフィル人達には、これが全く我々と目も合わせなければ会話もしない。リハや本番でも終わるや否や、チェンバーの人達は、そそくさと会場を去ってしまった。何でも終演後はすぐ帰国しなければならないらしいが、せめて握手の一つでも交わしたかった。

彼女だけではない、よく観てみると他のメンバーも表情がすこぶる硬く、彼らだけで固まっている時も殆ど笑顔はない。目は見えている筈なのに。全盲の団長さんだけがむしろ声が大きくてよく笑って話していた。

周知の通り、現在この国との関係は最悪である。昨日も丁度工程の遅れている冬季五輪の一部を日本で、なんてどうしようもない事を言ってきた。

今回の彼等の素っ気ない態度は、こういった国同士の関係が根底にないことを信じたい。レセプションとまではいかなくとも、リハやGPの時にフリーで我々と一緒にウダウダできる時間が少しでもあれば、このような誤解は溶けたかも知れないが。

 

こういう機会はまたあるかどうか? もしあるのなら、国同士は犬猿でも「音楽や芸術の上ではそんなものは関係ないさ」なんて事を立証するリベンジを果たしたいものだ。


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