老人と指

「最近指が回らなくなってきてね〜」と、年輩のフルーティストの方達がよくこぼしていたが、自分もこれには同調している。が、このような事を口にしている方達は、そんなに指が回っていない訳ではなく、実際はまだまだ凄いテクニックで吹いていらっしゃる方が多い。

思うに、フィンガリングに対する理想が昔より高まったのではないか?

自分も昔は「これ位吹けてりゃいいや」とかあったが、今ではそんな自分が許せなかったりする。
ところで、フィンガリングに関して、最近思うことがある。
それは「過ぎたるは及ばざるが如し」という事だ。
あるジョークを聞いた事がある。それは「人間は一生のうちで弾ける(吹ける)音符の数が決まっている」ということ。だから、あまり16分音符とかあまり沢山吹かない方がいいよという…これを聞いた時は大笑いしたものだが、あながち冗談でもない気がしてきた。
勿論フィンガリングの衰えを防ぐには、日々の練習以外に方法はない。だが一方、フルートを吹く時の体形、つまり身体の形はどう考えても尋常ではない。
そもそも重心は右に片寄り、両肘は中途半端に宙に浮かせ、左腕〜指の関節などは6ヶ所も曲げ、楽器の重みも手の数ヶ所に集中している…これを幼少のみぎりからン十年に渡ってほぼ毎日繰り返してきたとなると、その微小なストレスがン十年かけて蓄積されるのかも知れない。そりゃやっぱり何処か痛くなったり等、いろいろと影響が表れるだろう。
そんな自分も初めてフルートを手にして今年で丁度40年。気が付くと自分もしょっちゅう手や腕や肩を揉んだりほぐしたりしている。特に細かい音符を吹く時など。
こんな時の肩から指先にかけての骨、関節、神経、腱の動きはとても複雑で、且つ華麗なる連携プレーが内部で行われているのだろう。自分が医者だったら、是非この辺を医学的に調べてみたいものだ。だから若い時、いや初心者初級者の段階でこの連携プレーに支障をきたすような無駄な力がかからないよう、気を付けておくべきだと思い知っても後の祭りだったりする。
従って、速いパッセージをガムシャラに吹き続けて手が動かなくなるよりも、各指の動きをよく観察するような感覚で「速さ」よりも「確実さ」を求める演奏の方が良いと思う。
とはいうものの、まだあと30年は吹きたい自分にとって、身体の状態がどう変化していくのか、全くもって想像がつかない。

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