発想標語とは?

ゴーベール作曲の「フルートとピアノの為の幻想曲」の最初の場面でこんな記譜がある。

20140318a

ピアノを弾いたことのある方なら、この伴奏の楽譜に「えっ…?」と思うだろう。

では、この楽譜ではどうか?

有名なリスト作曲の「愛の夢」第3番の最後の部分。

20140318b

「f」(フォルテ)の横にある楽語が引っかかる。

 

要するに、鍵盤を1回「ポーン」と叩けば、その後に来るクレッシェンドにしてもヴィブラートにしても土台無理な話だ。

 

こういう場合は「気持ちだけ」ということで、次第に大きくしていく気分で鍵盤を押さえたまま身を乗り出したり(するかどうか判らんが…)ヴィブラートをかけるように鍵盤を押さえたままヴァイオリンみたいに指をくねらせたり(しないと思うが…)って事だろうか。勿論それをしたからといって、音が変化することは全くないのだが。

 

ひとつ思いついた。本当にクレッシェンドやヴィブラートをかけてみたらどうなるか?

実際に楽器ではできないから、Logicを使ってピアノの音色でシーケンスを作り、そのボリュームを変化させたり、フィルタをかけて音を揺らせたりしてみた。

20140318c

が、結果はここに記すまでもなく、Logicをもってしても大した効果は得られなかった。

 

 

線で書かれたクレッシェンドにしても「vibrato」にしても、ピアノ譜の場合はそんな訳で「発想標語」となる。cantabileとかcon fuocoとかと同じで、演奏のニュアンスを表現する用語だ。

だが楽譜に「歌うように」とか「火のように」とか書かれても、一体具体的にどのように演奏すればそんな感じになるのか、先ずはやはり「気持ち」から入ることだろう。

 

ところでAllegroやAndante等はそれに対して「速度標語」と楽典では定義されているが、何もただテンポのみを表す言葉ではない。

それについては、長くなるのでまた今度。


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