原典版なのに?

最近、朝にバッハの平均律クラヴィーア曲集を脳トレの為に練習しているが、たまたま家にあった楽譜を使っているうちに、譜面自体に疑問や不満が生じてきた。

 

そもそもこのS社の楽譜、細かい強弱やアーティキュレーションの指示が多過ぎる。指示通りに弾くと、ある程度ニュアンスが固定化されてしまう。

 

原典版を使うべきなのは、何もフルート譜ばかりとは限らんなと思い、ウィーン原典版というのを買ってみた。

 

別に人前で弾くわけではないから、殆ど音符しかない“無垢”の楽譜に、自分なりの“色”を付けながら弾くのは楽しい。ところが…

 

原典版なのに、何か釈然としない部分を早速見つけた。
それは第1番C-Durフーガの第12小節。
20140310a
最初にさらっていたS社は上の楽譜。ここに関しては原典版よりもこちらの方が弾きやすいし、自然な流れだ。グレン・グールドもこれで弾いている。

 

では何故原典版はこうなのか?
そこでバッハの自筆譜を見てみると…
20140310b
肝心の部分が黒く汚れている!
なる程これではどちらにも解釈できる訳だ。面白いなあ。
という訳で、自分はこの部分はS社に従って弾いている。

 

それにしても、クラヴィーアの曲としながら右手をソプラノ記号で書くとは、どういう意図だか知らないが、バッハってやっぱり凄い。
まあ、それよりも何よりもこのフーガの完成度の高さ!そのせいかどうか、自分にはこの自筆譜自体がひとつの芸術品に見える。

 

だが、そんな訳で自分にはこの曲がまあ、なぞる事はできるが、ヘタクソ極まりなく全然サマになっていない。
生きているうちに全曲弾けるようになってみたいものだが、多分無理だろうなあ。。。

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原典版なのに? への2件のフィードバック

  1. マグダレーナ のコメント:

    Yumochan 様
    美佐子ちゃんの友達の旧さるちゃんですよー(笑)
    先日は楽屋にて、本当にお久し振りにお会いできて嬉しかったです。
    私も毎朝、聖書を読み、それから音楽の聖書、いえ平均率を弾いています。
    1巻は私も春秋社、2巻は何故かHENLE 版です!
    確か副科ピアノの先生が、S 社はダメよ、ということでHENLE版を買って、そのまま、うん十年1巻は買い換える事もなく~(苦笑)
    BACHって本当に凄いですよね。オルガン曲に至っては両手両足で、わけわかんなくなります(@_@)
    Yumochan 様の文章はとっても表現力豊で、批判的精神が素晴らしいですね♪読ませて頂いていますよ♪

    • yumochan.com のコメント:

      ♪さるちゃん様
      コメントありがとうございます。また、先日もご来場どうもありがとうございましたm(__)m
      若い頃はロマン派から近代モノのピアノ曲ばかり好きだったのに、年齢がかさんでくると妙にバッハの引力を感じます(笑)いちいちその凄さに圧倒されつつ…

      いつもご覧下さり、ありがとうございます。日々精進いたします^^;:)

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