白の作曲家、黒の作曲家

自分よりひと周り以上年上の知人で、白髪で長髪の作曲家という方が2人いる。
お名前は敢えて隠す程でもないが、まあ仮にA氏、B氏とさせて頂こう。
このお二人は互いに面識はないと思うが、妙に沢山の共通点がある。
先の年齢や髪型だけでなく、お二方共都内にお住まいで、お二方共もの凄く温和なお人柄で、且つその内(なか)にも音楽に対する厳しい姿勢を感じさせる。
更にその作風が、お二方共とても洗練されていて、彼等の書くフルートの曲といったらもう純粋極まりない故、しっかりとした基礎を身につけていないと満足に吹けないメロディーばかりだ。バッハやモーツァルトの曲と同じような臨戦態勢。現代では大江光氏(大江健三郎氏のご子息)の音楽もそういったレヴェルだと思う。
Simple is difficultと言ったところか。
A氏はピアニスト、B氏は指揮者でもある。作曲とどちらが本職なのかはよく判らないが、自分の場合、演奏を続けていると、既成の曲では何か伝えきれないようなフラストレーションを感じて、何かオリジナルを作りたくなってくる。それと同じような感覚なのかな。
ただ自分の場合、それで満足できた事はあまりなく、一重に基礎力不足に因るところが大きい。
しかし逆に作曲理論ばかりが先行し、実際に演奏する立場からどんどん離れてしまうと、それはそれでまたあまり良い作品は生み出されなくなるだろう。
ウチのオケのコンサートで出てくる「作曲科学生による管弦楽作品展」がその際たる例で、どれもこれも一体何が言いたいのかサッパリ解らないものばかり。
大方「作曲はこうあるべきである」みたいな理論のみで膨れ上がった頭で書いているのであろう。
さて話はかわるが、西洋の物語等では、魔法使いにも善人悪人がいて、それがよく“色分け”されて登場する。「白の魔法使い」「黒の魔法使い」という具合に。
A氏B氏、両者共そのヘアスタイル、お人柄、そして何よりその作風から、自分には「白の作曲家」というイメージがある。
演奏家としてのみならず、おそらく様々な人生経験から生まれ出た魂の息吹と躍動が、彼等の音楽から痛い程感じられるのである。
では「黒の作曲家」とは誰か?
そんな人は思い付かないが、強いて当てはめるなら、同じ長髪でも黒くてサングラスをかけて、しかも自分では曲を書かなかった、音楽家の風上にも置けないアイツだろう(同じ土俵に上げるだけ失礼だったか)。
補足。白の作曲家達はお酒も同じように大好きのようである(笑)

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