マンドリンという楽器

もうかれこれ16年ほど、ちょくちょくエキストラで出演しているマンドリンオケがある。今日はその本番が無事に終わった。
その昔、まだ自分が大学生だった頃、某有名大学マンクラのトラに行った時の恐るべき体育会系ぶりを経験しているので、最初にこのエキストラの話が来た時は警戒したものだ。またあの『気合い』の渦に巻き込まれるのかな?と。
が、勿論そんな心配は無用だった。和気藹々としていて、純粋にマンドリンを愛する人達の集団であった。
指導者の才能と人柄にも因るのかなとも思う。
さて、マンドリンとはつくづく自分からみれば、異文化的な楽器である。オケプレイヤーとして一番戸惑う点はアインザッツとバランスである。
何せ彼等は弓を使わない。タイミングを合わせようとコンサートマスターをつい見るにしても、ボウイングがないのだから合わせようがない。そこで、指揮者の呼吸とか奏者の頭の振り具合とか、そんなのを頼りにしながら何とか合わせる状況である。
マンドリンオケに打楽器はつきものであろうが、管楽器はその曲の編成による。管楽器の編成が2管ずつの本格的なものともなると、音量のバランスには気を遣うが、今ひとつ勝手がわからない。マンドリン軍団のffのTuttiがどの程度鳴るのかよく判らないのだ。鳴ったにしても響きの具合が違うし。
マンドリンという楽器の詳細については、検索すればいろいろな知識が得られるので、何にもここで論ずる必要はないが、ひとつ「なる程!」と思ったのは種類と呼び名の事。
マンドリンの少し大きいのが「マンドラ」もっと大きいのが「マンドロンチェロ」というのは、考えてみればヴァイオリンと同じだ。そもそも「Violin」とは小さい「Viola」という意味なので元々はヴィオラが基準。もっと大きいチェロは正式には「ヴィオロンチェロ」という。
つまり「in」「a」「loncello」の前の「Viol」が「Mandol」に替わっただけだ。
同じ高さの弦を2本ずつ揃えて、高速連撥で音を持続させようという発想は、マリンバ等の鍵盤打楽器と同じで、考えてみれば斬新で画期的である。
ただ、それだけに持続音の音色やニュアンスの追求にはもの凄く奥深いものがある。
それにやはりハープ、チェンバロ、そして箏や三味線等と同じく、撥く楽器は常にチューニングが必要である。今日の本番でも曲間でかなり入念にチューニングしていた。
管楽器は吹き方次第ですぐ微調整できちゃうだけに、自分達にはあまり縁のない事だが、確かにすぐに伸びちゃって合ってないまま弾き続けるのは嫌だろうなあと思う。
このように、何につけてもいちいち感心し、本番の度に何か一つは勉強になるのがこのマンドリンオーケストラの仕事である。
自分達が音符1個を吹く間に、彼等は何回右手を往復させているのか?考えてみれば過酷な楽器で、つくづく彼等に敬服した一日であった。

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